アワーグラス銀座店は開業当時より、世界的にも極めて稀少なタイムピースの数々を日本の時計愛好家の方々へご紹介して参りました。
前回に引き続き、開業21周年を記念して、開業当時に取り扱いました傑作モデルの一部をアーカイブとしてご紹介致します。
既に生産を終了し、今では見る事も叶わないマスターピースの数々をお楽しみ下さい。
◇ユリス・ナルダン
①チンギス・ハーン
モンゴル帝国で世界に名を轟かせた英雄「チンギス・ハーン」をモチーフにした逸品です。
4つのゴングを持つウェストミンスター・カリヨンによるミニッツ・リピーターの音に合わせて、ダイヤル上の勇者たちが動き出すオートマタを搭載し、更にトゥールビヨンをも搭載した傑作です。
18KWGとPGがそれぞれ30本の限定モデルです。
【社長のひと言】
文字盤上で「演者」が動くオートマタ付きミニッツ・リピーターは、ある時期においてはユリス・ナルダンの専売特許とも言えるマルチコンプリケーションで、非常に有名な存在でした。
当時、このモデルを購入された方の腕元を見て、更に2本立て続けに販売した思い出深い時計です。
手巻き(Cal.UN-78)21,600振動/時
パワーリザーブ 約70時間
18KWG(直径42mm)
②アレキサンダー・ザ グレート
力強さのシンボルであるアレキサンダー大王をインスパイアしユリス・ナルダンの時計製造技術の粋を集めた超絶的な時計です。
トゥールビヨン、5体のフィギュアがゴングと同時に動くオートマタ、4つのゴングを持つウェストミンスター・カリヨンによるミニッツ・リピーターが搭載されています。
【社長のひと言】
チンギス・ハーンの別バージョンとも言える時計です。
ロルフ・シュナイダー社長時代は常にチャレンジングで、他ブランドが挑まない超複雑モデルが多くありました。
現在ではこの様なモデルが見られないのは少し残念です。
手巻き(Cal.UN-78)21,600振動/時
パワーリザーブ 約70時間
18KPG(直径 44mm)
③グランドデッキ
2桁の窓表示によるジャンピングアワーとフライングトゥールビヨンを備え、何よりも特徴的なのが、ダイヤル上をレトログラード表示する大きな分針です。
ダイヤルは船のデッキをイメージした寄木細工による装飾が施され、分針はゆっくりと時を刻みながら動き、60分に達すると張り巡らされたワイヤーで引かれるように0分位置へ弧を描きながら戻ります。
世界限定18本のマスターピースです。
【社長のひと言】
ワイヤーで引っ張られて動く、その文字盤上の動きをただ眺めているだけでも飽きない非常に稀な時計です。
他ブランドではここまでの動きを表現する事は出来ません。
ユリス・ナルダンのテーマである「海」がデザインコンセプトであり、現在よりも海洋を意識していた様に感じます。
手巻き(Cal.UN-630)21,600振動/時
パワーリザーブ 約48時間
18KWG(直径44 mm)