アワーグラス銀座店は開業当時より、世界的にも極めて稀少なタイムピースの数々を日本の時計愛好家の方々へご紹介して参りました。
前回に引き続き、開業21周年を記念して、開業当時に取り扱いました傑作モデルの一部をアーカイブとしてご紹介致します。
既に生産を終了し、今では見る事も叶わないマスターピースの数々をお楽しみ下さい。
◇ハリー・ウィンストン オーパスシリーズ
ハリー・ウィンストンが新進気鋭の独立時計師と共に独創的なタイムピースを製作する、革新的なプロジェクト「オーパス」シリーズ。
当社が販売したマスターピースの数々をご紹介いたします。
① オーパス2
スイスを代表する独立時計師の一人、アントワーヌ・プレジウソとコラボレーションしたシリーズ第2作。
ダイヤル側にトゥールビヨン、ケースバック側にレトログラード式の永久カレンダー表示を備えたマルチコンプリケーションは世界で11本のみの限定製作です。
【社長のひと言】
当時は現在ほど有名ではなかったオーパスでしたが、本モデルによりプロジェクトの認知が高まりました。
責任者のマキシミリアン・ブッサーの手腕により独立時計師達にスポットが当たり、彼らも名声を手にしました。
手巻き(Cal.HW1024)21,600振動/時
パワーリザーブ 約110時間
PT(直径38mm)
② オーパス3
機械式によるデジタル表示がユニークなシリーズ第3作は、ヴィアネイ・ハルターとの共同制作です。
時・分と日付を6つの窓でデジタル表示し、分が切り替わる4秒前からカウントダウン機能も搭載しております。
18KRGとプラチナを各25本、プラチナのバゲットカット及びラウンドブリリアントカット・ダイヤモンドのセットを5本の計55本限定です。
【社長のひと言】
当時はそれほど有名ではなかったハルターが、本モデルで一気に脚光を浴びる事になり、オーパスに選出される事が時計師にとってステータスとなりました。
発表から完納までに設計変更を余儀なくされ、売り手が苦労した事も思い出されます。
手巻き(Cal.HW1016)21,600振動/時
パワーリザーブ 約35時間
18KRG(52.5 x 36mm)
③ オーパス7
奇才、アンドレアス・ストレールが手掛けたシリーズ第7作。
時分針を持たず、リューズ上のプッシュボタンを操作してディスクを回転させ時刻を表示させる、独創的な機構を採用。美しい蝶のフォルムのブリッジも特徴的です。
世界限定50本の中でもベゼルにバゲットカット・ダイヤモンドがセットされた本機は、僅か5本のみのスペシャルエディションです。
【社長のひと言】
一見すると何時何分か分からない、非常にユニークな操作オペレーションが必要なモデルでした。
手巻き(Cal.HW1028)18,000振動/時
パワーリザーブ 約60時間
18KWG(直径37.6 mm)
④ オーパス11
後にMCTを立ち上げたデニ・ジゲが設計したシリーズ第11作。
24枚のプラカードが連動し、4枚のプラカードでダイヤル中央に時刻表示する、ダイナミックなメカニズムが特徴的な逸品です。
18KWGケース100本と、バゲットカット・ダイヤモンドがセットされた11本の計111本限定製作です。
【社長のひと言】
表示としては時分針のみですが、それをここまでダイナミックかつ複雑にした、ある意味究極の時分表示時計として記憶に残っています。
手巻き(Cal.HW1021)21,600振動/時
パワーリザーブ 約48時間
18KWG(43.3 x 53.7 mm)
⑤ オーパス14
ジュークボックスから着想を得たシリーズ第14作。
9時位置のレバーを操作してGMT、カレンダー、星の3種類のレコードを模したディスクを選び、4時位置のボタンをプッシュすると、ディスクが入れ替わります。
世界50本限定製作です。
【社長のひと言】
50年代アメリカのジュークボックスを連想させる各ディスクの動く様は、機械仕掛けではなく、サーボの様なダイナミックな動きであり、突き詰めて作るとここまでの物が出来るのかと感心しました。
手巻き(Cal.HW4601)28,800振動/時
パワーリザーブ 約68時間
18KWG(直径54.7 mm)